KUDO
工藤真穂さん

株式会社 電通

※経歴・内容はインタビュー当時のものです。

アートディレクターとしての仕事

現在は、駅構内の広告やポスターなどの制作をしています。アートディレクターとして、クリエイティブディレクター、CMプランナー、デザイナーなど、様々な方々と関わりながら、広告表現のビジュアルを考えるのが私の仕事です。

最初は、絵を描くことを仕事にしたいと思い、湘南美術学院ではより仕事のイメージが結びつきやすいデザイン科を選択しました。しかし、制作しているうちに、もっと自由に制作がしたいと思うようになり、途中で油画科に転科しています。油画科出身ということもあって、私は手触りやクラフト感を大切に、現在も意識を高く持って制作にあたっています。

広告をつくる仕事というのは、様々なニーズに応えるためにも、受け手の反応を幅広く想像しなければなりません。しかし、多くの人に届けるものだからといって、ターゲットを広げ過ぎてしまうと、デザインがぼやけてしまい、かえって良い作品を作ることが難しくなってしまいます。身近な人の反応をイメージすることで、ニーズを捉えることが出来ます。これはデザインを考えるうえで、重要に思っていることの一つです。

第25回 読売広告大賞 優秀賞受賞(ピーチ・ジョン)
「ピーチ・ジョンの下着は、女性のもつみずみずしさとやわらかなSEXYさを包むものだと考え、女性のからだを果実に置きかえて表現しました。」

「他者にどう見られているか」
を考える

予備校や大学の時から、自分の作品がどのように見られているか、というのが私のテーマでした。しかし、その手前で、自分が何に興味を持っているのかをわかっていることがとても大切です。最初から人にどう見られているかを意識し過ぎても、自分の作りたいものが分からなくなってしまいますし、自分が表現したいものを一方的に作ってしまっては、自分の意図は伝わりにくくなります。私の場合は、予備校で美術館に行った時に、実際に自分の目で作品を見ることで、見てくれる人がどう反応してくれるか、その大切さに作品の鑑賞を通して気づくことができました。今思えば、予備校や大学で学んだことは現在の仕事に活かされています。

「見ること」は「生み出すこと」
につながる

受験の時は、将来に役立つ力が伸びる時期です。そして、素直に良いものを吸収できる時期です。私は「よくモノを見ることができる人は、良い作品を生み出すことが出来る」と考えています。たくさん良いものを見て刺激を受けて、自分自身と向き合ってみてください。きっと皆さんの成長につながるはずですから。

「キッコーマンしょうゆ」の広告
(毎日広告デザイン賞受賞)15段カラー

PROFILE

神奈川県立横浜南陵高等学校出身
湘南美術学院[ 基礎科 > デザイン科 > 油画科へ転科 ]> 東京藝術大学 大学院 油画修了